2007年03月13日

NHKスペシャル 2007/03/12 再放送<br>ラストメッセージ第2集「核なき世界を 物理学者・湯川秀樹」

中間子理論でノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹が、本来の研究者としての自分の枠をこえて核廃絶運動に身を投じたその背景や経緯を番組は追います。きっかけはやはり核兵器に反対したアインシュタインとの親交からのようですが、湯川の葛藤がよくわかる番組でした。

湯川自身が自分は極めて内向的な人間であると吐露しているインタビュー録音がありました。そこに湯川の葛藤の大きな部分があるだろうと感じ取れました。できれば研究に没頭し政治的なことにはかかわりたくないという気持ちと、それでもこの活動を成功させなければならないという使命感の板挟みだったのでしょう。そこには、ある意味情熱というよりも悲壮感があるような気がしました。

その悲壮感の理由は、もちろん核廃絶が最後まで受け入れられなかったことによるものなのですが、それにしても、アインシュタインにしても湯川にしても、どうしてこんな簡単な論理が世界に受け入れられないのだろうかという思いだったにちがいないと想像できますので、そのギャップがなにかとてもつらい感じです。湯川が実際の録音された言葉の中で、自分は至極「当然のこと言っているだけなのに受け入れられないのは何とも不思議なことだ。」と言っているのが印象的でした。

核抑止論を認めれば、それは核兵器の垂直の拡散(核兵器保有国の兵器の高度化)と水平の拡散(核未保有国が核兵器を持ち始める)を招くことになると当初から予見していた彼らの科学者らしい論理性もさることながら、やはり核兵器は決して単なる将棋の駒のようなものではなく、現実の破壊エネルギーを持った物体であることを実感していたのだと思います。むしろそれが実感できない(想像力のない)政治家がいて、一部の科学者でさえそうであることに憤りというかなんともやりきれない思いだったのだろうということをこの番組を通じて感じ取りました。

≫NHKホームページ ラストメッセージ第2集 

posted by eijin at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | NHKスペシャル | 更新情報をチェックする
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